ハセガワ サバンナ RX-7 

f:id:higasikaze:20211122183606j:plain

セガワの24分の1”サバンナ”RX-7が完成しました。

最近のハセガワさんは、昔の人気車を新金型で続々と発売されています。しかもクルマに限らず二輪まで同様のペースで開発するという八面六臂ぶり(黒赤KR絶対作る)。何事でしょうか、これは。

それにしてもこのRX-7の発売が予告された時はもう、うれしくてたまりませんでした。それまでに発売されていたスープラやギャランに心を動かされながらも押し入れに眠っている数々の模型たちの制作を優先し、新しいキットの購入は控えていた私でしたが、さすがにこれは我慢できず近所の模型屋さんに駆け込んでしまいました。

f:id:higasikaze:20211122185159j:plain

大手通販を利用すれば安く早く手に入るのは分かっています。でも、今この歳になっても模型屋さんからプラモデルの箱を抱えてうちに帰る時のあのワクワク感は子供のころと何ら変わりないんですね、なぜか。そしてそれは私の中ではとても大切なことなのです。考えてみれば、押し入れで眠っている模型の大半は通販で買ったもので、そういうことなのかなあ、なんて思ってしまうんですよね。

f:id:higasikaze:20211122185236j:plain

完成したとはいえ、いつものように失敗しては手直しを繰り返し、結果あちこち仕上がりに難のある作品となってしまいましたが、それでも満足です。12Aまでは再現されていませんが、だからこそこの価格で矢継ぎ早に新製品をリリースしてもらえるわけですから、文句などあろうはずがありません(いずれ追加パーツ入りで登場するでしょうけど)。

私が好感を持った点は、フロントウィンドウが一枚ものでなおかつサンバイザーが付いていたところ、別パーツのドアノブが、ボディの貫通部にしっかり取り付けられるところなどです。不満点はサイドモール。これは別パーツ化せずモールドでよかった。アンダーゲートとはいえパーツの整形や接着の手間が、塗装と研ぎ出しの手間を上回ります。

f:id:higasikaze:20211122190237j:plain

巣ごもり需要とかで模型人気が高まっているそうですが、良い事ばかりではありません。そう、転売屋の存在です。生活がかかっているのか知らんが最近は行き過ぎです。そのうちわかるけどあんたら自分の首絞めてるぞ。

まそれはともかく、もし通販サイトで欲しい模型の価格が発売前から吊り上げられていたら、可能なら模型屋さんに行って注文してみましょう。高くても定価で買えます。それでもだめなら棚に並んでいる他の模型に目を向けてみてください。今まで気付かなかった、作って楽しい模型たちが、じっとあなたを見つめていますよ。

f:id:higasikaze:20211122185458j:plain

新車発表会の時、オヤジに連れて行ってもらったなあ…

 

紅葉

f:id:higasikaze:20211120234111j:plain

 

昨日、またもやツーリングに出かけました。250に乗り換えて気軽に走れるようになったということもありますが、何より今、仕事が無くてヒマなんですね。どうしよう。

f:id:higasikaze:20211121210017j:plain

お隣の宮崎まで足を延ばすと、美しい紅葉を見ることができました。
今いるところは走り出せば海も山もあっという間という、バイク乗りにとっては楽園のような環境ですが、それが目的で何のツテもなくふらりと引っ越してきたものですから、最初は仕事があるかとても不安でした。幸いいくつかの幸運な出会いに恵まれ、この五年間何とか生きています。

コロナ禍以後、リモートワークが広まったこともあり、こういった地方に移住する人が増えているという話もありますが、そうはいってもやはり東京の人口増加は相変わらずのペースだそうで、やはり日本は「東京ありき」なんだなあと感じます。自分の経験上でも、あちらは仕事の量もスケールも報酬も九州とは比較になりませんし、多くの人がより良い生活を目指して移住していく気持ちもわからなくはありません。

が、私は「あっちは怖い」というのが正直な気持ちです。何が怖いのかというと地震です。関東の人は、慣れてるとおっしゃいます。しかしもう「いつものこと」ですませられる段階ではないと感じています。無論政府の見解以外、そこに明確に言葉にできる科学的根拠はありませんし、すぐ逃げろなどと言うつもりも毛頭ありません。ただここ数年、地震の事に限らずあまり時間がないという気がしてならないのです。移住を決断したのもそのためです。火山帯を抱える九州が安全ということではなく、ただこの大陸を好きなだけバイクで走りたかった、それだけなのですが。

「やるべきこと」と「やりたいこと」。どう折り合いをつけるか、難しいところですね。

 

f:id:higasikaze:20211120234521j:plain

この季節に咲くヒマワリをたくさん見かけることができます



 

 

 

 

机上の

f:id:higasikaze:20211112215410j:plain


「カーアンドドライバー」11月号にトヨタのバッテリー戦略について書かれた記事があり、興味深く読みました(あまり分かっていませんが)。この記事では主にバッテリーについて語られていましたが、最近の雑誌やネット上での電気自動車に関する記事では、必ずと言っていいほど再生可能エネルギーの重要性が説かれております。で、一口に再生可能エネルギーと言っても色々あるわけですが、中でも主役級の「太陽光発電」について、私はどうしても疑問を持たざるを得ません。

日本各地には規模は様々なれど、実にたくさんの太陽光発電施設があります。例えば飛行機の中から北海道や九州の地上を眺めてみると、その数の多さに「ここまで増えたのか」と今更ながらに驚きます(海に浮かべるのはどうかと思いますが)。それらの中で、交通量の多い国道沿いなどで見られる小規模のものは、比較的綺麗でしっかり作られている場合がほとんどですが、現実にはそういう所ばかりではありません。というのも太陽光は、ある程度以上の規模になってくると人里離れた自然の中に建設されることになるのですが、その場合(本当は全て)必ず定期的なメンテナンスの必要性が出てきます。私はそれが一体どこまで実行されているのか怪しい、と考えているのです。

ブームに乗って作ったはいいが、経費節約のためその後のメンテナンスなど何も考えずに放置、結果パネルの上まで雑草は伸び放題で発電効率は低下、中にはカラスが落とした石でヒビが入っていたり、動物が上を歩き回ったとしか思えないほど粉々に破壊されたパネルがあったりします。そもそもパネルの寿命自体計算通りにはいきません。さらに言えば、ケーブル接続の不具合や試運転で見落とされた誤配線、重量のあるパワーコントローラーをボルト締結せず架台にビス止めされているものなど場合によっては数年で落下(かろうじてケーブルでぶら下がっている)、水浸しになりながらも稼働している場合、1次側2次側共に高電圧ですから、その修理には大きな危険を伴います。もちろん、太陽光発電施設の多くは厳しい品質管理の元で工事が行われていますが、自然の中に放置されるというリスクを考慮しなければ建設した意味がありません。今現在問題のある現場が何割存在するのか分かりませんが、それらも含めてもし建設実績だけで再生可能エネルギーの割合が計算され、BEVを増やしていくことになれば、遠からず「あれ?」なんてことになりはしないでしょうか。

今、橋や水道管などの社会インフラの老朽化が問題となっていますが、太陽光に限らずある種の再生可能エネルギー施設が同様の状況に陥るのは意外に早い時期ではないかと考えます。これからどのように更新していくか、すでに議論されていればいいのですが。

夜空を見上げて

f:id:higasikaze:20211104223627j:plain

先日グーグルが、おすすめ記事だからお前読めとばかりに、オートメッセウェブというサイトの『「フレキシブルタワーバー」はまさに「コロンブスの卵」だった』という記事を紹介してくださいました。それによるとSTIフレキシブルタワーバーの分割部はピロボールジョイントになっており、縦方向の入力は反対側のストラットへの影響を抑制するが、横方向の入力は左右に伝達されるとのこと。なるほど、ピロだったんですね。私はてっきりここもダンパーなのかと思っていました。そういえば一度分割部をめくってみたのですが、小ぢんまりしすぎてダンパーには見えなかった気がする。だからあんなに硬かったんですね。いや勉強になりました。ということは、これは言ってみればダブルウィッシュボーンのアッパーアームみたいな側面もあるのでしょうか。すごく乱暴な考え方ですが。であれば厳密に言えばアッパーマウント側にも可動部が必要になりますが、何センチも動くわけじゃなし、そんなところに可動部を設けたら横方向の入力まで逃がすことになりそうだし、そこはまあいいんじゃないかということなのでしょう。

しかし前回のインプレッサスポーツに対する私の感想文は、改めて読んでみるとあれはいかんですな。大体雑誌にしろネット上の記事にしろ、ああいうものを読もうという人は、たいてい「いい話」を期待しているものです。自分が興味のあるクルマ、欲しいクルマのいい所を知りたい、なんだったら背中を押してほしいという人もいるかもしれません。それが今更「MTじゃないと」とか言ってるわけです。あまつさえSTIのパーツに「自分には、付けない方がいいかも」などと恐ろしいことも言っている。特に現代のスバリストと呼ばれる人たちにとっては、全く無意味な感想だったことでしょう。でも私は忘れられないんです。小学生の頃「走れ!四輪駆動車」という本で、レオーネ4WDという万能車を知った時の衝撃を。ニチモのレオーネを三台作って4WDの信じられないような走行性能を確認した時の喜びを。小関さんが板前の包丁と呼んだRXターボを。アルシオーネの発表会で免許も持たない中学生の私を歓待してくれた高槻スバルの皆さんを。コリン・マクレーやベルター・フィッシャーのオンボードビデオを擦り切れるほど見ながら、最高のハンドリングマシンだと今も信じるBC5で荒れた林道や雪の上を走り回った日々を。それから…。

思い出を語ればきりがありませんが、少なくとも過去のスバルは、こと走りについては中途半端な真似はしてこなかったように思います。もちろん今はそんな時代ではないことは百も承知です。それでもなお私が望むことはやはり、インプレッサSTIに6MTを、なのです。

MTがあればこのクルマは完成する インプレッサスポーツSTI (2)

f:id:higasikaze:20211013093308j:plain


さっき近所のトヨタ店の前を通ったら、敷地中を掘り返してたんですが、そこに、どういうわけか自衛隊の3トン半が1台おりました。なんか出たんですかね。

 

まだまだ走り足りなかった私はオーナーにもう少し待ってくれとお願いしていたのですが、願いかなわずあっという間にフレキシブルタワーバーとフレキシブルドロースティフナー(フロント用)が取り付けられてしまいました。これはもう仕方ありません。とにかく走ってみることにしました。

ところでこの二つのパーツにはどういう効果があるのでしょうか。これについては、スバルユーザーには「いまさら」と怒られるかもしれませんが、スバルショップ三河安城和泉店のサイト内にある「フレキシブルタワーバーとフレキシブルドロースティフナーの実力とは。」という記事が大変参考になりました。驚くほど理路整然と分かりやすく説明されており、無知な私には大変勉強になりました。

そんなわけで、タワーバーとドロースティフナーが取り付けられたインプレッサスポーツに乗ってみたのですが、スタート直後にステアリングを切った瞬間、私は思わず「硬い」と口にしてしまいました。ごくわずかにステアリングを動かすだけで、猛烈な「硬度」としか言いようのない感覚が伝わってくるのです。ちなみにオーナーは「ステアリングが重くなった」と表現しました。もちろん多少の変化はあるにせよ、それほどステアリングの回転が重くなった、あるいは硬くなったというわけではないと思います。ただ、フロント周りから伝わる剛性感が変わったということでしょう。

ここで残念なのは一度に二つ取り付けられたことです。この時点ではおそらくタワーバーの存在が大きいとは思いますが、一本物を使っていたBC5やGC8でもこれほどの変化を感じた記憶がありません。フレキシブルと名乗るだけあり分割部にダンパーを持つ可動式なのに、この硬さは何なのでしょうか。後になって気が付いたのですが、フレキシブルとはいってもクルマへの入力を制御しようというものですから、そう簡単に動くものではないでしょう。つまり入力の小さい低速時は単純に剛性の向上が感じられるだけなのかもしれません。この領域での変化は、大きくとも重要ではないんですね。それから少しペースを上げて走ってみましたが、やはりフロントの反応は早くなりました。回頭性も上がっています。世に言われている通りです。

もし二十代の頃の私なら大喜びしたでしょう。実際スピードの向上につなげたと思います。しかし残念ながら、あらゆる部分が劣化したオヤジとなった今、この変化を素直には喜べません。なぜなら、直進安定性の変化や、カーブの進入時によりシビアなライン取りが要求されるようになったことなど、向上した応答性は「神経質で疲れる」と感じられるようになってしまったからです。正直なところ、STI標準仕様が持っていた懐の深さが失われてしまった印象です。

もちろんこれは私個人の能力の問題です。パーツの性能そのものは素晴らしいものですし、ユーザーの評価が高いからこそインプレッサにも採用されたのでしょう。STIは律儀にも、リヤ用のピロアーム(!)やフレキシブルドロースティフナーまで用意しています。しかしそのことがますます私を複雑な気持ちにさせます。

これらのパーツは、必要なければ付けなければ済むことです。しかしSTIのハンドリングが素晴らしいほど、オプションパーツが充実するほどに、私は悔しい気持ちでいっぱいになるのです。このクルマにMTがあればと。だったら「疲れる」なんて言わずに、犬のように走り回っていたに違いないのに。

色々書きましたが、インプレッサスポーツSTIが走って楽しいクルマであることは間違いありません。それは、コーナーでアクセルを踏み込むたびに頭の芯が真っ白にぶっ飛ぶような4WDターボ車とはまた違った世界ですが、どちらも「また走りたい」と、いても立ってもいられなくなることに変わりはないと思います。あっ、これ他人のクルマなんですけどね。