操作について 7

BEVは、これまでの一般的なクルマに比べると構造が単純なこともあり、自動車メーカー以外の多くの企業がその製造に参入しています。それがどういう結果をもたらすのかは分かりませんが、バッテリーの価格が下がれば、利益の問題で消えていった小型のスポーツカーたちを安価で復活させることも可能ではないでしょうか。競技車両なども作りやすそうだし、もしかしたら意外な形で参加型モータースポーツの人気が再燃するかもしれませんね。

 

・ステアリング 3

 右折と応用

 旋回軸を意識することが重要なのは、もちろん右折でも同じことです。交差点の右折では、スペースに余裕がある分浅い曲率でだらだらと曲がってしまいがちです。それが許される状況なら別にいいのですが、このような運転が癖になると、例えば道幅の狭い交差道路に進入したとたん、たまたま出てきた対向車の鼻先をかすめるような危なっかしい状況を招く場合があります。そこで、できるだけ交差点の中央へ進入し、曲がるときに旋回軸の置き場所を想定しながらハンドルを切り(対向車が途切れるのを待つときなど、車体及び前輪は真っ直ぐにしておくことをお勧めします)、対向車線に影響しないようなラインで曲がることができれば言うことがないですね。
 さらに、旋回軸の意識は曲がりくねった山道でも応用がききます。そういった道を走る時、カーブの進入では前輪(頭)をどこに持っていくかに意識をとらわれがちです。そこで少しばかり後輪も意識してみましょう。カーブ内側の後輪がセンターラインに対して一定の距離を保ちながらも、なめるように走行する状態をイメージしてハンドルを操作します。
 このやり方のメリットは、走行ラインが安定することと、自分のクルマがセンターラインを越えにくくなる、ということです。長い年月運転していると、必ず左カーブ(相手から見ると右)でセンターラインを割ってくるクルマと出会います。というより割ってくるのが当たり前と考える方がいいぐらいです。カーブの曲率はたいてい一定ではないし、クルマの旋回特性もありますから仕方ない面もあります。実際のところ、少々はみ出されてもまずぶつかることはありません(右カーブで割ってこられるのは最悪の事態ですが)。しかし、このように漫然と状況任せの運転を続けることは積極的にクルマをコントロールしようという意識の低下につながります。対向車の危険だけでなく、見えない先に歩行者がいたり駐車車両があるかもしれないと考え、まずは自分の走行車線の中央を走るように心がけることも大事かと思います。アウトインなどは、それからの話かと。
 ところで念のため一つ付け加えておきたいことがあります。それは、クルマの左右方向の両端はサイドミラーだということです。タイヤがセンターラインを踏み越えていなければ良い、というわけではありません。注意しましょう。

後進
 後進(バック)の時もやはり同じです。駐車などで後進しながらハンドルを切る時、旋回軸を意識することで内側後輪の軌跡が見えてきます。ただ、こういう場合はまず駐車スペースや道幅などをよく確認し、どの位置から曲がり始めるかなど、最初の組み立てが重要になります。私ははっきり言って縦列とか苦手です。