夜空を見上げて

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先日グーグルが、おすすめ記事だからお前読めとばかりに、オートメッセウェブというサイトの『「フレキシブルタワーバー」はまさに「コロンブスの卵」だった』という記事を紹介してくださいました。それによるとSTIフレキシブルタワーバーの分割部はピロボールジョイントになっており、縦方向の入力は反対側のストラットへの影響を抑制するが、横方向の入力は左右に伝達されるとのこと。なるほど、ピロだったんですね。私はてっきりここもダンパーなのかと思っていました。そういえば一度分割部をめくってみたのですが、小ぢんまりしすぎてダンパーには見えなかった気がする。だからあんなに硬かったんですね。いや勉強になりました。ということは、これは言ってみればダブルウィッシュボーンのアッパーアームみたいな側面もあるのでしょうか。すごく乱暴な考え方ですが。であれば厳密に言えばアッパーマウント側にも可動部が必要になりますが、何センチも動くわけじゃなし、そんなところに可動部を設けたら横方向の入力まで逃がすことになりそうだし、そこはまあいいんじゃないかということなのでしょう。

しかし前回のインプレッサスポーツに対する私の感想文は、改めて読んでみるとあれはいかんですな。大体雑誌にしろネット上の記事にしろ、ああいうものを読もうという人は、たいてい「いい話」を期待しているものです。自分が興味のあるクルマ、欲しいクルマのいい所を知りたい、なんだったら背中を押してほしいという人もいるかもしれません。それが今更「MTじゃないと」とか言ってるわけです。あまつさえSTIのパーツに「自分には、付けない方がいいかも」などと恐ろしいことも言っている。特に現代のスバリストと呼ばれる人たちにとっては、全く無意味な感想だったことでしょう。でも私は忘れられないんです。小学生の頃「走れ!四輪駆動車」という本で、レオーネ4WDという万能車を知った時の衝撃を。ニチモのレオーネを三台作って4WDの信じられないような走行性能を確認した時の喜びを。小関さんが板前の包丁と呼んだRXターボを。アルシオーネの発表会で免許も持たない中学生の私を歓待してくれた高槻スバルの皆さんを。コリン・マクレーやベルター・フィッシャーのオンボードビデオを擦り切れるほど見ながら、最高のハンドリングマシンだと今も信じるBC5で荒れた林道や雪の上を走り回った日々を。それから…。

思い出を語ればきりがありませんが、少なくとも過去のスバルは、こと走りについては中途半端な真似はしてこなかったように思います。もちろん今はそんな時代ではないことは百も承知です。それでもなお私が望むことはやはり、インプレッサSTIに6MTを、なのです。