法律のせいで余計危険になってないか?

電動キックボードの特定小型原付区分って、あれ何なんでしょうね。おそらく自転車代わりということなんでしょうが、なんか不思議な感じですよね。

歩道では「6km以下」だったら、体のためにも歩いた方がいいような気もするし、歩くのが難しいのだとしても、そういう人があんな不安定な乗り物に乗るというのは、うーん。

車道ではもっとスピードを出せるから乗る意味はあるんだよ、と言われても20km以下でしょう。原付の30km走行でも(遅すぎて)危険なのに20kmでフラフラと…。あの発進時の不安定さを見ると、生物としての生存本能が普通に働けばとても…なんて思うのですが。

何か根本的な所に疑問を感じます。

がんばれハコバン

先日、国沢光宏さんの公式サイトを拝読していると、ホンダが2024年にN-VANの電気自動車を発売する、という記事がありました。とても興味深い話です。いよいよかな、という感じです。低価格はもちろん、クルマとしての完成度についても、設計の古い先行他社の車両を上回っていることは想像に難くありません。

航続距離は200km程度とのことですので、当然ながらその距離に応じた使い方をされるのでしょうが、軽ハコバンといえば職人の重要な足としての顔もあります。自動車評論家は誰も気にしませんが、職人は、酷寒や猛暑の下、電気や水さえ得られない過酷な現場に通わなければならないこともしばしばです。冷暖房が使えなければ、命にかかわることもないとは言いきれない。そんな時に「バッテリーが上がった」では済まされません。
このN-VANが現場で徐々に鍛え上げられ、いつの日か職人の信頼できる足として完成されていくことを願いたいものです。

ところで、同記事の中で、重心の高いハコバンに大型ルーフキャリアまで乗せるのは危険だ、とも書かれています。確かに昨今はやりの超ハイトタイプなんかは怖いですよね。ただ仕事でよく使われているハイゼットやエブリィ、ミニキャブなどは、キャリアに脚立を2本、などという状態で普通に走っていますが、だからと言ってあちこちで横転しまくっているわけではありません。
そういった使われ方をする車両は、大抵道具や荷物を満載しています。多くの場合、空荷ではないのです。ですから、見た目ほどには重心が高いとは言えないのです。そもそも運転する方も心得て走らせていますし、それでも何かあったらその時はその時。そんなもんです。

カー・アンド・ドライバーと私

少し前に発売された「カー・アンド・ドライバー」11月号は、巻末の岡崎宏司さんのコラムによると44周年号とのこと。44年!同紙の一ファンである自分にとっても、感慨深いものがあります。

記憶にある一番古い「カー・アンド・ドライバー」は、巻頭にアメリカで発表されたばかりの「スバルXTクーペ」の特集記事が組まれた号で、表紙に描かれた青いXTクーペの美しい姿をなんとなく憶えています(そういえばアルシオーネ発表会の時の私は、中学生ではなく高校生でした)。当時は月2回刊行されており、発売日には、取り寄せをお願いしていた近所の小さな本屋さんに飛んで行ったものです。

岡並木さんや、島田荘司さんの文章に初めて触れたのも「カー・アンド・ドライバー」で、特に、当時は全く読んだことが無かった島田さんの推理小説には、後年どっぷりはまることになりました。

一番印象に残っている記事は、岡崎さんの試乗記(たしか911だったと思う)です。繊細なアクセルコントロールを行う方法として、なんと「靴の中で足の指を曲げる」操作を紹介されていました。通常アクセルペダルの操作は、主に足首を動かして行うものですが、そうではなく足の指の動きだけでペダルを操作しようという、まさにミリ単位のコントロール法。いたく感心した私は、当然免許取得後すぐに実行してみましたが、まったくできませんでした。

さて現代の「カー・アンド・ドライバー」、残念ながら試乗記に関しては毒にも薬にもならないものばかりで、言葉は悪いけど、一種のカタログ雑誌として読むべきものかと思います。ただし、その反動と言っていいのか「ドライバーズ・インフォメーション」のページがこれまた、なかなかの踏み込みっぷりで、読みながら毎回ヒヤヒヤしています。このギャップは何なんですかね。

いずれにせよ、この今という自動車界激震の時代、ただただクルマが好きだった少年の頃の思い出がいっぱい詰まった「カー・アンド・ドライバー」が、今後も末永く出版されることを願うばかりです。

阪高トライアル

 今朝、最初の現場に向かうべく、阪神高速池田線に乗った。
 交通量は少なめで、その分流れも悪くはない。それなのになんだか走りにくい。環状線に合流するあたりで、それが顕著になってきた。
 今日は平日とは違う。猛然とあおってくるトラックも、やたらと飛ばす営業車も、突然幅寄せしてくるタクシーも普段ほどにはいない。家族連れや、うらやましいカップルの若者達が乗ったセダンやRVばかりである。
 なのに、どうにも怖い。
 この感覚をどう説明すればよいだろうか。
 「頭文字D」の中で、池谷先輩が拓海とイツキをS13に乗せて峠を攻めるシーンがあった(と思う)。この時の拓海の感じる恐怖とイツキの考える恐怖の違い、あんな感じである。
 阪神高速(というより大阪市内)におけるクルマの動きというのは、かなり無秩序に見える。しかしその是非はともかく、どれほどギリギリの状態になっても、最終的には引くべき方が引く、といった暗黙の了解がある。なんとなく見極めがつくのが救いだ。
 運転とはつまるところ予測することだ。それにはクルマをコントロール出来ている事が条件となる。また予測しなければコントロール出来ないとも言える。この二点は背中合わせである。そしてそれはドライバーとクルマの間だけの事ではなく、同じ路上を走るクルマどうしの間にもあてはまる。だが、まわりのクルマとの関係を考えずに走るドライバーの行動は予測できない。
 私は、クルマは家電品と同等になってきており、誰にも扱いやすいという意味でこれは良い事だと考えていた。だが、クルマにはある種の扱い方というものがある。まずい事に、何か起こった時にそれは要求されるが、普段はほとんど見えてこない。クルマ側の支援もまだ発展途上であり、そもそも単独で安全を確立させるには限界がある。
 誰も電子レンジのドアを上手に閉める方法など考えない。リモコンがどうやってテレビのチャンネルを変えるのかなんてどうでもいいことだ。
 私の考え方は古いのだろうか。

(2012年8月)

さすがは、スズキ 2

トヨタ車はレトロですね。初代ミライは「UFO戦士ダイアポロン」そっくりだったし、先代までのカムリは「トイストーリー」の悪者ロボットザーグ、GRヤリスは「ロボコップ」のED209、一時アニメ的と言われたプリウスも、アニメにしたって80年代テイストだったし、今度のクラウンも、子供の頃読んだ図鑑に登場する未来のスーパーカーみたいで懐かしい。昭和生まれの私には刺さりますな。

ハンドリングは、正直あまり良いとは言えません。具体的に言うと、切り始めた直後に、ややこじるような手ごたえが発生する領域があります。おそらく強めのキャスター角によるものと思われますが、これにより、ハンドルを回す手ごたえに「波」があるように感じてしまうのです。実際その領域でハンドルを握る力を弱めてみますと、「ガクン」と急激に戻ろうとします。以前借りたワゴンRもまったく同様で、走り出してすぐ最初のカーブでアンダーを出してしまい、ちょっとドキッとしたことがありました。これはまあ、台車のコマかとつっこみたくなるほど素直に向きを変える自分のクルマの前輪に慣れているせいかもしれませんが。
今のクルマはこういうものだと言われればそれまでですが、交差点などで大きく切り、戻しをする場面では、操作の仕方によってはギクシャクした動きにつながりかねません。例えば切ったハンドルを戻すとき、力を緩めて手のひらの中でクルクルっと回す、いわゆるセルフステアリングを利用する癖がある人は、この「波」によって走行ラインのふらつきを起こします。私がやらかしました(とはいえこの操作方法を否定するつもりはありません)。ちゃんと手を添えて戻すにしても、回転トルクの変動に合わせて回すのは簡単ではないし、まして前輪を駆動しているわけですから、加減速が加われば余計難しくなります。特に右左折しながら急いで合流しようとするときなど蛇行に陥りやすく、基本通り、合流前にしっかり安全を確保することがより重要となります。
それにしても、様々な制約の中で設計された結果なのでしょうから文句を言ってはいけないのかもしれませんが、昔のFFに逆戻りしてしまったようで、なんか…ねえ。ドライバーの高齢化が進む中、決して安全とは言えない方向ではあると思います。
ただし、これはあくまで参考までに追記しますが、狭く曲がりくねった下りの山道をそれなりのペースで走りますと、この不自然さは影を潜めます。おそらく、フロントのサスストロークが縮められやすい状況だからだと思われます。
次にブレーキについてですが、意外にもカックンではなく、それどころかやや弱めに感じられました。回生ありきということなのでしょう(ワゴンRはもう少し効いたような気がしますが)。確かに、アクセルオフで回生動作による減速が始まるため、不便はありません。ただしここにも問題があります。減速が進み、停止直前あたりまできたとき、この回生制御が「カクン」と途切れます。するとその一瞬クルマが加速したような感覚に陥り、あわててフットブレーキを強めるため、結果ギクシャクした制動となります。特に私のように早めに緩くブレーキをかけ、なだらかな上り坂で止まっていくようなイメージで制動するタイプは、このようになりがちです。なので、この制御が切れる瞬間に停止できるように、メリハリよくサッと止まる方がまだましかもしれません。とはいえ、渋滞時など比較的ゆっくり走行している場面では、結構頻発します。もしかしたら強弱の調整があったのかもしれませんが、このあたりの構造も根本的な改良を望みたいところです。
運転支援装置について。いまやこのような軽自動車にも先行車追従型クルコンが付いているんですねえ。ほんと私は浦島太郎です。一度、かなり流れの悪い国道でこれを試しているとき、左側のコンビニからの強引な合流によって先行車が急停車したことがあったのですが、どうするのかと思って何もせずに見ていたら、即座に減速開始。全く安全な距離で停車し、その後、何事もなかったように走り始めました。まるで割り込みを見ていたかのような、ドライバーの感覚に非常に近い制動に驚きました。私個人としてはアイサイトより自分の感性に近い動きと感じられ、「これは信用できる」と思いました。
最後に。借りた時に表示されていた平均燃費は18.5km/l。リセットの仕方がわからず、そのまま往復150キロの通勤を中心に数日走った後の数値は、18.6km/lでした。

先代よりかっこよくなったし、いいクルマだと思います。4WDの車高を10mmほど上げて、オープンカントリーなんか履かせたら楽しそうですね。もう、みんなやってるか。