考え方 10

あんなに血眼になってガソリン車はだめとか言っておきながら、ろくに人も荷物も載せられないけど0-100km2秒台などという、どこがエコなのかさっぱり分からない金持ち用のミニ四駆みたいなEVなんかポンポコ作りまくって、一体何がしたいのでしょうかあの人たちは。

それはともかく今回は車間距離について少し考えてみます。

 

前と後

 基本的には教習所で習った、速度に応じてその距離を変えていくという考え方でよいと思います。ただし、何キロで何メートルといった単純な計算は、現実の路上ではなかなか当てはまりません。例えば、目の前の先行車がろくに車間距離をとらない煽り気味な走り方をしていたら、あなたはその「先行車の分」も考える必要があります。速度と距離の関係という視点では何かが変わるわけではありませんが、このようなクルマは急ブレーキを踏みがちです。通常の車間距離では前方で何かが起こったときにあっという間に接近してしまう危険があります。クッションが期待できないんですね。私はこのような状況に遭遇したとき、先行車が常識的な車間距離で走っていた場合の距離を想定して走るようにします。要するに広めにとるということなんですが、これはこれで「別の危険」を招くのが難しい所です。

 さらにもう一つ、後続車との距離も考える必要があります。後続車が煽り気味に接近している場合もやはり先行車との距離を広めにとる方が良いでしょう。なぜなら自分が急ブレーキを踏まなければならなくなった時、簡単に追突される恐れがあるからです。

 そういえば私が子供の頃、助手席に乗せてあちこち連れて行ってくれた叔父が、運転しながらよく「俺は常に前後3台のクルマの動きを見ている!」と豪語しておりました。いずれにせよ、車間距離は刻々変化する車列の動きを見て判断する必要があるということです。なので私は自動追従で走行するのはあまり好きではありません。便利だとは思うのですが。

 

「別の危険」

 クルマを運転していますと、すぐ前を走る先行車が、やたらと危険な合流や右折をされて、そのたびに急ブレーキを踏まなければならなくなるという光景を見かける時があります。なんでこの人ばっかりこんな危険な目にあうのかと不思議な気持ちになりますが、これは単なる偶然ではなく、車間距離のとりかたにも問題があるように思います。要は中途半端なのです。

 例えばコンビニなどの駐車場から車道に出ようにもなかなかクルマの列が途切れず、イライラしながら合流の機会を狙っているドライバーが待っている状況で、決して十分な余裕があるわけではないが何とか入れそうだ、と判断されがちな車間距離で走っていればどうなるでしょう。対向車線に右折待ちのクルマがいる交差点でも同様です。そこにはまたもや目に見えない危険が生じることになります。

 日常的にこういった中途半端な車間距離をとる人は、まず間違いなくメリハリのないだらだらとした運転をしており、それも無理な割り込みを招く原因となっています。譲る気があるのか無いのか、そこには明確な思考も意思もほとんど存在せず、ただ漫然とクルマを動かし、誘蛾灯のように危険を呼び寄せているだけなのです。

 

正解はない

 とはいうものの、残念ながら車間距離なんてそうそう自由にコントロールできるものではありません。線路の上を走っているわけではありませんから、常に思うような車間距離で走行することなど不可能といってよいでしょう。ここで重要になってくるのが「予測」です。できうる限りの情報収集を行い、連続的にそれをドライビングに反映させてゆく、それがクルマを走らせるということです。ただ漫然と走るのではなく、常に思考を巡らせることです。それは、きっとあなたの助けになることでしょう。