今さらなんですが…ここまでイイとは(2)

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話はちょっと戻って外観についてなんですが、正直最初にこの現行スイフトスポーツを見たときはガッカリしました。というのも先代ZC32のデザインが本当に素晴らしかったからです。
ZC31から始まった(多分)コンセプトを律儀に熟成させ、見事他に類を見ない個性と美しさと力強さをあわせ持った完成形に到達したというのに、ああそれなのに、あっさり流行りの「口あんぐり顔」になってしまうなんて…。トヨタのせいでこんないや違った嘘です。しかしながら、見慣れた今はカッコいいと思います。ええ。

さて、実際に走らせてみますと、想像していたよりも静かで、あらゆる動きがスムーズなことに驚きました。市街地なら、本当にクロスしている2~4速(AE111はいろいろ言われてましたね)を丁寧に使えば三千回転以内で十分です。流れが良いと5速も使えたりしますが、その場合瞬間燃費計に注意を払った方がよいでしょう。翌日は少し山間部を走りこんでみました。と言っても代車であること、走行距離が新車並み(多分元試乗車)であることから無理はしておりません。まずエンジンはというと、回していないので断言できませんがパワーは排気量なりで、その設定上ターボとはいえスピードの「のり」は大人しめです。意外だったのはハンドリングで、ミズスマシのような俊敏さを想像していたのですが、リヤのスタビリティが非常に高いためかペースに関わらず終始落ち着いた印象で、例えばコーナリング中に荒れた路面に出くわしても大きく姿勢を乱すこともなく抜けていきます。しかも45タイヤでありながら乗り心地がいい。これはショックもだけど、コンチネンタルのタイヤが良いのかなという気がします。他社のタイヤに替えるとどうなるでしょうか。
あとブレーキですが、今回ぐらいだとコントロールし易くいい感じでした。
こうしてみるとノーマルに限れば、ですが、スイフトは比較的速度域の高いワインディングをハイペースで駆け抜けることを得意とするのかもしれませんね。まあ見方を変えると狭い所で振り回しても大丈夫ということになりますが…。
実は一つ気になる所がありました。アップシフトの時なんですが、ギヤを変えクラッチをつなぎながらアクセルを開けた直後、一瞬間をおいてドンとトルクが立ち上がります。過給の立ち上がりの早さには感心しますが、タイミングがタイミングですのでちょっとギクシャクします。ATを推奨する人はこのへんが理由なのでしょうか。まあ今回は使用回転域が最大トルク辺りだったし、そもそも運転が下手だと言われたらそれまでですが、個人的にはせっかく使える6速があるんやから、少しツキを落として上に振っても良かったかなという気はします。ただお金のことを考えると専用エンジンというわけにもいきませんものね。

いずれにしても、こんないい入門車があるなんて。若い人、頑張って買いましょう!